そもそもめんどくさがりやの僕には向いていない遊びがある。
真空管アンプの音の変化と改善を求めて、
真空管をあれやこれやと差し替えていくことを
英語ではTUBE ROLLINGという。
さしずめ日本語では球ころがし?
アメリカのオーディオファンには結構人気のある遊びのようで、
検索するといろいろとフォーラムがある。
彼らはとてもオープンで友好的。
何人かに自分の機材にあった真空管のアドバイスをもらう。
CHINA管はSHIT(使い物にならない)に始まり、
ヴィンテージ管RCAのブラックプレートがAWESOME(最高)だとか
プリの初段にはゲインの低いGEの軍用管5751がFRESH(いいぞ)とか。
MX110のフォノにはtelefunkenの12AX7がTASTY(たまらんぞ)だとか。
(米語のオーディオファイルのボキャブラリーにはおもしろいものが多い。)
デフォルトのどこのか不明の球。中国製?
ヴィンテージのTELEFUNKEN、ドイツ製。
パッケージデザインが秀逸なLINDAL。6L6GC
とはいえケーブルひとつかえるのにも思いついてからひと月くらいかかる僕の場合、
真空管をひとつひとつ差し替えて音の違いを聴き比べるなんてのは
1万ピースのジグソーパズルに取りかかる位めんどくさい。
僕はすきな音楽を聴きたくてオーディオを所有しているのであって
音の変化の聴き比べをしたいわけじゃない。
できればオーディオクリニックなんて白衣にロゴのはいった
ドクターかなんかが自宅まで往診に来てほしい。
レザーのドクターバックからおもむろにドイツ製ハイエンドの聴診器を取り出して、
“あー、たなかさん...。これは酷い音で聴いてますねー。
今までつらくなかったですかー?”
“よく、がまんしましたねー。”なんて、
横できれいな看護婦さんもうなずいていたりして...。
今日はこことここ調整して、あと高域のでるお薬出しときますね。
“えーと、たなかさん、
ここから先は保険外治療ですけど、
真空管の出物がありまして。
結構しますけどすごい音がでますよー。”
なんて悪魔のささやきがあったりして...。
なんてことはあるわけないか。
あー、こんなことだれかやってくれないかなー。
と思いながらも家族のいない午後に
ごそごそと真空管を差し替えている僕はもう既にりっぱなオーディオマニア...。
いいドクターいないかな。
保険外治療でもいいから。
たなかひろし ロータスカリフォルニア
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