2015-05-14

かもめにはじまりかもめに終わる。今度こそは。

ようやく、かもめマークのM44-7を手に入れた。


先日は個人売買でB品を掴んでしまい苦い思いをした。
どうやら、僕はイギリスのオーディオ屋とは相性が悪いようで。
PAYPALの売買保証制度のおかげで商品代金は戻ってきたものの
イギリスまでの送料はこちらの負担。
まあ、仕方ないこと。

個人売買の失敗が続いて、
いい加減懲りたのでしばらくおとなしくしていたものの、
時間が薬となったのか、
また悪い虫がムズムズ...。


今回は安心安全の(?)国内の業者から手に入れた
最初期型ホワイトボディにカモメマークも眩しいM44-7カートリッジとオリジナルの針。

ちゃんと音鳴ってくれよ...。と祈りつつ,
SMEのシェルに配線する。
はやる気持ちを抑えながら,
CTIレーベルの"モントールのエヴァンス/1970"に針を落とす。



フランス語のアナウンスから始まるこのライブ盤はお気に入り。
アナウンスの冒頭、
マイクハウリングの酷い音が出て
観客がうへぇーと悲鳴あげるところもまたおかし。

エヴァンスの指先が弾き心地を確かめるかのようにゆっくりと動き出す。
しだいにテンポをあげてゆき、
鍵盤の上を舞うかのような華麗な高速ステップ、
エディ・ゴメスのベースとマーティー・モレルのドラムス がからんで、
さらに官能的な響きになる。



うーん、
いいじゃない、このカートリッジ。

現代のハイファイな音とは違う骨太な音。
悪く言えば、ナロウレンジなんだろうけど、
音が前に迫り出してくる感じで実に気持ちよく鳴る。
シャキッとしたシンバルの音、
ブリッと肉感のあるベース音。
響きのいいピアノ。

中音域から低音域が特に充実していて
音楽のかたまりが蛇口全開であふれるように出て来て
気持ちのいいこと。
シュアーのお家芸。
60年代のジャズやロックを聴くにはちょうどいい。

同時代のJBLのスピーカーとは純正の組み合わせのように
音楽が躍動する。

音の輪郭だの透明感やら分離感なんだのに拘らない
音楽のダイナミズム偏重の僕には何の不満もない。
味わいってものは、澄み切ってればいいってもんでもない。
底に溜まった澱そのものも
味の深みを高めている年代物のバローロのように。



こんないいカートリッジはなかなかないと思うんだけどな。
1963年にすでに作られていたということには感心しきり。

もっとも、大編成のクラシックを
ひとり腕組んで聴くようなひとにはおすすめしないけど。






あとひとつ発見だったのは、
いまひとつうまく鳴らない、というか乗れなかったポップスも
良く鳴らすカートリッジだということ。
このアルバムからも
ニューオリンズあたりのソウルフードの匂いがしてくるんだな、
実にいい塩梅で。



LOTUS CALIFORNIA たなかひろし